〈特別編〉日本毛髪科学協会2019年秋季セミナー採録 「女性の薄毛」の現状と治療①
日本毛髪科学協会2019年秋季セミナー採録
育毛研究の第一人者の桑名隆一郎博士が、先頃、神戸市で行われた日本毛髪科学協会の秋季セミナーにおいて、女性の薄毛に関する講演を行いました。
講演では桐葉エキス配合の育毛剤による治療成果も発表。その内容を採録で数回に分けてご紹介します。
女性の薄毛の原因はさまざま
日本国内における男性の脱毛症の患者数は500〜1000万人といわれていますが、薄毛に悩む女性もほぼ同数と思われます。
桑名皮フ科を受診した脱毛症患者を年代別で見ると、男性が30代、40代で多いのに対し、女性は50代、60代がもっとも多くなっています。女性より男性の方が早い年代で脱毛するのは、遺伝的要因が強いためだと考えられます。
女性の薄毛のメカニズム①
では、女性の脱毛症や薄毛の原因は何でしょうか。女性の薄毛にはいくつかのタイプがありますが、身体的な老化や薬剤、内科的疾患、遺伝のほかにダイエットなどが大きく影響しています。これらの要因によって毛をつくる細胞が弱り、薄毛を引き起こしているようです。
女性の薄毛のメカニズム②
毛をつくる細胞が弱るもうひとつの要因に、脱毛たんぱくの影響がありますが、これには女性ホルモンが深く関わっている可能性があります。従って、薄毛の治療には「毛をつくる細胞が弱る」のを防ぐことが必要です。この働きをするのが私の研究している桐葉エキスですが、その有効性については次回以降でご紹介します。
次回は、女性の薄毛のパターンや切り桐葉エキスについてご紹介します。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。