髪の夏バテを防ぐ食事の工夫
暑さがさらに厳しくなることが予想される時期、食欲不振や偏った食事で栄養不足になると育毛の妨げとなります。体の夏バテは髪の夏バテにつながるため、きちんと三食食事を取り、髪に栄養を与える食事を心がけましょう。
体の栄養不足が髪の成長に影響
髪が育つために必要な栄養は、頭皮の毛細血管から血液を通して毛根に供給されます。ところが体そのものが栄養不足になると、髪の成長にも支障をきたすようになります。
髪も体の一部のため、体をつくるたんぱく質やビタミン・ミネラルの必要量は減らしてはいけません。また、汗をかいて体内の水分が不足すると、血液がドロドロになりやすく、血行不良で毛根に栄養が行き渡りにくくなります。さらに、低栄養の状態が続くと髪にまで栄養が届かなくなり、ハリ・コシ・つやが奪われ、抜け毛や薄毛につながってしまいます。
健康な髪にはアミノ酸が必須
とはいえ、スタミナ満点の食事を毎食とれば良いというわけではありません。いろいろな食品からいろいろな栄養をバランス良く摂ることがもっとも大切です。なかでも意識して摂りたいのが、髪をつくる材料となるアミノ酸です。髪は主に硫黄を含んだ含硫アミノ酸から成るたんぱく質でできていますが、これらは体内で合成することができません。ですから、食事でしっかり補う必要があるのです。含硫アミノ酸は、アジやイワシといった青魚や豆腐や納豆などの大豆製品、鶏ささみなどに多く含まれているので、これらの食品を積極的に食べるようにすると良いでしょう。
夏バテ予防のひと工夫
食欲をアップさせ、暑さに疲れた体をいたわる食事をコツをご紹介します。
スパイス
味付けには、食欲増進作用のあるしょうが、唐辛子、ペッパー、にんにくなどを活用しましょう。
旬の食材
ナスやきゅうり、スイカなど夏の野菜や果物には、暑さでほてった体を冷やす効果があります。
酸味
梅干しやお酢の酸味には、口当たりをさっぱりさせたり、消化液の分泌を促して食欲を増す作用があります。
冷房にも注意!
食事で摂取した栄養は、血液を通じて毛根に届けられます。しっかり栄養を摂っても、頭皮の血行が悪いと毛根に届きにくくなります。冷房で体が冷えすぎると血行が悪くなり、頭皮に栄養が行き渡りにくくなります。エアコンの効いた場所では、ストールなどで首筋を冷やさないよう心がけましょう。また、頭皮マッサージを習慣づけて頭皮を血行促進にも努めましょう。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。