「抜け毛の秋」に備える頭皮のダメージケア
本格的な夏の到来で日差しも強くなり、頭皮や髪にとっては過酷な環境が続いています。それでなくても夏ダメージが蓄積した頭皮は、育毛力が衰えている可能性があります。
来たるべき抜け毛の秋に備えるために、この真夏の時季の頭皮ケアはしっかり行いましょう。
抜け毛の季節の前にダメージの回復を
頭皮は他の皮膚に比べて角質の水分量が少なく、乾燥しやすい傾向にあります。真夏の直射日光を浴びた頭皮は乾燥して血行が悪くなり、髪の成長を妨げる一因となります。頭皮にかゆみがあったり、髪のパサつき、切れ毛・枝毛などがあったりする場合は、紫外線ダメージが深刻化しているかもしれません。
9月から抜け毛が増える時期に
9月から10月にかけては、抜け毛が増え、毛量がもっとも少なくなる時季です。こうした秋の抜け毛は、動物の毛の生え替わり現象の名残と考えられています。加えて、夏の間の紫外線や生活習慣も少なからず影響しているものと思われます。抜け毛が増える秋に備え、紫外線によって弱った頭皮をいたわり、抜け毛を最小限に抑えましょう。
今すぐ始めたい頭皮のダメージ対策
1 分け目を変えて頭皮の日焼けを予防
いつも同じ所から分けていると、その部分だけ日焼けし紫外線ダメージが蓄積していきます。帽子や日傘で直射日光を遮るのはもちろんのこと、分け目を定期的に変えて紫外線が集中して当たらないようにしましょう。
2 育毛剤でのお手入れを強化
紫外線を浴びて乾燥した頭皮に育毛剤で潤いと栄養を与え、コンディションを良好に保ちましょう。頭皮の血行を促すマッサージも併せて行うと、より効果的です。
3 ビタミンCをたっぷり摂る
体の中からのケアも重要。肌細胞のダメージの回復を早めるために、活性酸素の還元効果をもつビタミンCを積極的に摂るようにしましょう。ビタミンCは夏野菜のゴーヤやトマトなどに多く含まれています。
教えて! 桑名博士
日焼け直後の頭皮の対処法は?
洗髪はぬるま湯か水で
マッサージ・ブラッシングは控える
炎症を起こしていたら水で冷やす
ヒリヒリしたり赤みがある場合は、水圧を弱めにし
た水シャワーを当てて冷やし、炎症を落ち着かせます。
育毛剤は炎症が引いてから使用した方がよいでしょう。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。