ふけ・かゆみが増えたときの注意点
今のように寒い季節は、皮脂の分泌が少なく湿度も低下していますから、頭皮が乾燥してバリア機能が衰え、ふけ・かゆみなどのトラブルが起こりやすくなります。
また、シャンプーやトリートメントのすすぎ残しや加齢による皮脂不足によっても、ふけ・かゆみが出ることがあります。
症状がひどい場合は、すみやかに皮膚科で受診を
ふけ・かゆみは頭皮が炎症を起こしている状態です。そのままにしておく不快なばかりでなく、頭皮環境をますます悪化させ髪の成長に支障をきたす可能性もあります。
あまりにかゆみが強く頭皮が赤くなっている場合は、すみやかに皮膚科を受診されることをおすすめします。それほど症状が深刻でなければ、生活習慣やヘアケアを見直して様子を見るとよいでしょう。
シャンプー選びに気を付けて
まずは頭皮の乾燥対策が第一。洗浄力の強いシャンプーは必要な皮脂まで落としてしまうので、アミノ酸系のマイルドなシャンプーを選ぶこと。できれば、ふけ・かゆみを抑える処方のシャンプーに変え、洗う時は十分にすすぎましょう。
ただし、熱いお湯は乾燥を加速させるので、ぬるめのお湯で洗ってください。保湿成分配合の育毛剤などで頭皮に潤いを与えるのも有効です。
ビタミンの摂取も重要
食事のケアも大切です。ビタミンB2、B6が不足すると皮膚に炎症が起こりやすくなります。また、ビタミンH(ビオチン)の不足は、ふけ・かゆみや抜け毛を招く脂漏性湿疹(※)の原因となります。
※脂漏性湿疹とは、体質的に皮脂量が多い人や精神的ストレス、常在菌の一種によって引き起こされる皮膚疾患です。
頭皮の乾燥は血行不良によっても起きるため、毛細血管の循環を良くするビタミンEも欠かせません。
ふけ・かゆみがひどいときは、これらのビタミンを多く含む食品を積極的に摂るとよいでしょう。
ひとくちコラム-頭皮トラブルが髪のハリ・コシに影響⁉
頭皮に赤みやふけ、吹き出物などの頭皮トラブルがあると、髪のハリ・コシが低下することも報告されております。これは頭皮の炎症によって、毛髪、とくにキューティクルを構成している部分がつくり出されなくなり、髪の強度が低下するためと考えられています。髪のハリ・コシの低下は、ボリュームダウンの一因ですから、頭皮トラブルには注意したいものです。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。