2016.12.22

女性のための薄毛・抜け毛対策 自分の髪は自分で育てましょう

女性のための薄毛・抜け毛対策 自分の髪は自分で育てましょう

40歳を過ぎた頃から、気になり始める、髪の細りや抜け毛。
男性と違い女性型の脱毛は、ライフスタイルの改善や効果的な育毛剤の使用で豊かな髪を取り戻すしやすいといわれています。
「一生自分の髪で過ごす」ために、さあ今日から、正しい育毛習慣を始めましょう。

見逃していませんか?薄毛のサイン

薄毛の危険信号は、抜け毛の本数だけではありません。薄毛は徐々に進行していくもの。
その始まりをしっかり見極めて、いち早く対策を立てることが豊かな髪をいつまでも保つ秘訣です。抜け毛の本数よりも、抜け毛が増え始めるサインを見逃さないこと。それが、薄毛対策の基本原則です。

抜け毛の最大要因は頭皮にあります。下記のような傾向が見られたら要注意。毛が細くなったりコシが感じられなくなったというのも、髪に栄養が届いていないせいなので抜け毛が増える可能性大です。

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頭皮チェック項目 診断
髪や頭皮がべたつく べたつくのは頭皮の皮脂の分泌が多いため。過剰な皮脂は脱毛を促す原因のひとつです。
フケが増えた 過剰な皮脂や洗髪による乾燥などでフケが増え、脱毛が起こりやすくなります。かゆみを伴うフケは特に注意。
前髪の毛が細くなってきた 前髪は側頭部や後頭部に比べ髪に栄養が行き届きにくい部分。ここの髪が細くやせてきたら薄毛の第一段階です。
頭皮が硬くなった 頭皮を指先でつかんで動かしたとき、頭蓋骨と一体化しているようであまり動かないのは、血行が悪く頭皮が硬くなっている証拠。

 

抜け毛にも正常なヘアサイクルによるものと、そうでないものが。
あなたの抜け毛は正常?それとも異常?じっくりチェックしてみましょう。

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抜け毛チェック項目 診断
大きさを見る 成育状態が悪く弱った毛は、力を入れなくても簡単に切れるので脱毛が起こりやすい。
引っ張ってみる 過剰な皮脂や洗髪による乾燥などでフケが増え、脱毛が起こりやすくなります。かゆみを伴うフケは特に注意。
根元を見る 抜け毛は根元がふくらんでいるが、その先端がぎざぎざしていたり尖っていると異常性脱毛の可能性がある。

 

薄毛を防ぐには、正しいヘアケアが大切です。

シャンプーについて

豊かで健康な髪を育てるには、頭皮を清潔に保つことです。しかし、刺激の強いシャンプー
での洗いすぎは皮膚障害や脱毛の原因になるので気をつけて。自分の髪質や頭皮に合った
シャンプーを選び、極端に汚れていなければ夏は2回に1回、冬なら3回に1回の割合で大丈夫
です。

その日の汚れはその日のうちに取るためにも、洗髪は夜行うのがベスト。夜10から夜中の
2時頃は髪や肌の細胞が活発に活動するので、この時間帯には頭皮を清潔にしておきたい
ものです。

食事と生活習慣

ストレスや睡眠不足、不規則で栄養バランスの悪い食生活、ブラッシングや紫外線による
髪への刺激なども、抜け毛の原因のひとつです。髪の毛も皮膚の一部ですから、基本的には
肌にいい生活を心がけることが育毛にも欠かせません。

髪にいい食べ物といえば、ワカメなどの海藻類や黒ゴマなどを思い浮かべますが、髪の毛は
ケラチンとたんぱく質でできているので、大豆や魚などから良質のたんぱく質をしっかり摂るこ
とも大切です。

 

シャンプー後や育毛剤を使うときに効果的!簡単育毛マッサージ

頭皮の血行促進のために重要なマッサージ。頭皮の血行は、育毛にとってとても大切です。
ゆったりとした気持ちで正しくマッサージをしましょう。

【1】頭の両側に手をあて、頭皮を指の腹で押し上げるようにして、頭頂部の皮膚をゆるめます。

massage01

【2】次に、同じように前頭部、後頭部の頭皮を押し上げます。【1】【2】の動作を繰り返します。

massage02

※髪が薄くなっているところは直接マッサージしないこと。刺激が強すぎて逆効果になることがあります。

 

えっ!これって間違いだったの!?

案外育毛にとって「悪いこと」を「いいこと」と勘違いして実行してませんか?
ここで、あなたの考えが間違ってないかチェックしてみましょう!

帽子をかぶると薄毛になりやすい!?

帽子をかぶる習慣があるからといって薄毛になるわけではありません。むしろ、日焼けによる頭皮の老化を防ぐためには、帽子や日傘による紫外線対策は必須項目です。ただし、炎天下でずっと帽子をかぶっていてはダメ。汗で頭の中が蒸れた状態になり、皮脂内で繁殖した細菌が毛穴をふさいでしまいます。ときどき脱いで風を通し、家に帰ったらきちんとシャンプーして頭皮のマッサージを行いましょう。

髪を結んでおくと早く伸びる!?

結んでおくと、早く伸びる…ということはありません。逆に、結び方によっては抜け毛の原因になることも。軽く結ぶ程度なら問題ありませんが、ひっつめ髪やポニーテールなど、髪を強く引っ張るようなヘアスタイルは避けたほうが無難。毛根に負担がかかり血行を悪くしたり毛母細胞を傷める場合があります。また、ロングヘアも髪の重みで常に毛根が引っ張られている状態になってしまうので、薄毛が気になる年代はやめたいもの。髪を短くして軽くするだけでもずいぶん負担は少なくなります。

親が薄毛だと自分も薄毛になる!?

額の後退など壮年男性に多く見られる脱毛は、男性ホルモンの分泌量との関連もあるため、「体質を受け継いでいる」という意味では確かに遺伝もひとつの誘因だと考えられます。逆に、中高年の女性に多いびまん型脱毛(頭全体が薄くなる)は、老化、ストレス、過度のヘアケア、ダイエットなどによるものがほとんどで、遺伝との関係はあまりないと考えられます。

ブラッシングはすればするほどいい!?

頭皮に適度な刺激を与える意味では、ブラッシングは薄毛予防に効果的ですが、やりすぎは禁物。かえって頭皮が傷み毛が弱くなってしまいます。ブラッシングをするときはまず毛先のもつれを解き、次に髪の真ん中、最後に毛の毛根から毛先に向けてゆるやかにおこないます。

育毛専門医 桑名博士
1954年高知県生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。