2019.11.13

【博士の育毛診療日誌】効果的な育毛剤の塗布範囲

【博士の育毛診療日誌】効果的な育毛剤の塗布範囲

女性型脱毛症 年齢:50歳 性別:女性

Yさん(50歳)の側頭部(耳の上あたり)の髪が薄くなったのは、15年ほど前。マイクロスコープで見ると、細く軟毛化した髪が多いことがわかりました。
こうした症状は、慢性休止期脱毛症には見られませんので、遺伝的要因や女性ホルモンの働きの変化による女性型脱毛症と診断しました。
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育毛剤使用にもかかわらず側頭部の脱毛が顕著な理由

実はYさんは、10年ほど前から育毛剤を使用されておられます。その成果かもしれませんが、一時期、頭頂部にあった脱毛は軽快していました。それにもかかわらず側頭部の脱毛が顕著なのは、側頭部にまで充分に育毛剤をつけておられなかったのではないでしょうか。
側頭部の脱毛は女性に見られる特有の症状です。ですから、育毛剤の外用によって、側頭部の脱毛も改善すると思います。
Yさんのように育毛剤を既にご利用の方は、側頭部を含む頭皮全体に毛剤をお使いいただきたいものです。

育毛剤は帽子をかぶる部分までを目安に塗布すると効果的

育毛剤は帽子をかぶる部分までの使用が目安となります。正しい用法でお使いいただいてこそ、育毛剤が効果を発揮しやすくなるのです。

 

育毛専門医 桑名博士
1954年高知県生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。