2020.03.04

春に起きやすい「頭皮のかゆみ」

春に起きやすい「頭皮のかゆみ」

春になると頭皮にかゆみを感じることはありませんか?

アトピーや皮膚疾患があるわけではないのに、春になると頭皮にかゆみを感じることはありませんか? 頭皮のかゆみは不快なだけでなく、かくことで皮膚を傷つけてしまう可能性があります。なるべく早めに対処しましょう。

皮脂とホコリが原因

気温が上がり暖かくなり始めると、体がむずむずしてくるという人もいらっしゃるでしょう。同時に、頭皮のかゆみを訴えるケースも増える傾向にあります。 春のかゆみを一因となるのが、この時期から増加する皮脂と空気中のホコリです。
私たちの皮膚は、気温の上昇とともに皮脂線の働きが活発になり、皮脂の分泌も盛んになります。同時に汗も多くなり、それらが毛穴に詰まって炎症を起こし、かゆみの原因になるのです。

春はさらに、花粉のほかにも黄砂やPM2.5といった汚染物質の飛散が増え、アレルギー症状が出たり、大気中の汚れが皮膚に付着したりします。アレルギー症状が出ると、頭皮のバリア機能が低下するため、いっそう刺激に対して敏感になります。

刺激の少ないシャンプーで汚れを落とす

一時的なかゆみや軽いかゆみであれば、入念なシャンプーで頭皮を清潔にするなどの対策を行いましょう。強いかゆみが続いたり、頭皮に赤みが出たりする場合は、アトピーや慢性湿疹などが考えられるため、皮膚科の受診をおすすめします。

シャンプーをするときは、毛穴に詰まった皮脂や汚れをもみ出す感じで、指の腹で軽く押すようにマッサージしながら洗います。すすぎ不足もかゆみの原因になるので、すすぎは十分に行いましょう。

デリケートになっている頭皮のために、シャンプーは刺激の少ないアミノ酸系を選ぶと良いでしょう。

育毛専門医 桑名博士
1954年高知県生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。