2021.01.20

自宅や美容室での毛染めのポイント

自宅や美容室での毛染めのポイント

例年より外出の機会が減り、自宅で毛染めをする機会も増えているのではないでしょうか。また、普段からご自身で染められている方もいるでしょう。

そこで自宅と美容室での毛染めの違いやポイントを理解し、髪に良い染め方を心がけましょう。

 

プロの手による毛染めの方がダメージは少ない

最も違いが大きいのが、染毛剤の性質です。染毛剤はアルカリ度が高いほど染毛力が強いのですが、市販の染毛剤はトラブルをなるべく防ぐために弱めに設定されていることがあります。

ただ、1種類の染毛剤で全体を染めるので、それほど染めなくても良い部分まで同じ強さで染めることになり、髪が傷みやすい傾向にあります。

 

一方、美容室で使用する染毛剤はアルカリ度が強いものから弱いものまであり、美容師さんがお客さまの髪や頭皮の状態を見ながら使い分けるので、最低限のダメージに抑えることができます。

また、美容室では白髪の本数や髪の色に合わせて色を調整してくれるため、全体の仕上がりが美しく、好みの色に染めることができます。

自宅染めは、出かける手間がいらず料金も安くて済みますが、髪への多少のダメージは避けられません。髪の傷み具合や生活スタイルに合わせて、ご自分に合った方法を選択すると良いでしょう。

 

洗髪は毛染めの前日までに済ませておく

髪や頭皮のことを考えると美容室での毛染めがおすすめですが、介護やお孫さんのお守りなどで忙しく、自宅染めを選択される女性も多いことでしょう。そこで、自宅染めの注意点をご紹介しておきます。

自宅染めでもっとも多いトラブルが「かぶれ」です。ずっと使用している染毛剤でも、体質変化などによって突然アレルギーが出る場合があります。必ずパッチテストを行って、安全確認をしてください。

また毛染め後は、トリートメントでのケアもしっかり行いましょう。美容室での毛染めでもやはり髪は傷みますから、いずれにしてもトリートメントは必須です。


ちなみに、自宅や美容室で毛染めをする際、洗髪は前日までに済ませておいてください。直前に洗髪すると頭皮が摩擦によって敏感になり、染毛剤の刺激を感じやすくなります。毛染め前に洗髪を行う美容室もありますが、頭皮ではなく髪の汚れを軽く落としているだけですので心配はありません。

 

ひとくちコラム

ヘナにも本物とにせ物がある!?

ひと頃大人気を博したヘナですが、日本人の黒い髪は、植物の色素によって髪を染めるヘナでは染まりにくいという見解に至っています。しかも、染めるのに何時間もかかるため、最近では扱う美容室が少なくなりました。短時間で良く染まるヘナは、化学的な染毛剤を加えている可能性があります。事前によく美容師さんに確かめましょう。

 

育毛専門医 桑名博士
1954年高知県生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。