加齢が招く「かさかさ頭皮」と対策
年齢とともにうるおいを失うのは、肌だけではありません。頭皮も加齢とともに皮膚にある保湿成分が減少し、うるおいのない「かさかさ頭皮」に変わっていきます。肌の乾燥がシワやたるみの原因となるように、頭皮の乾燥も育毛環境を悪化させ、抜け毛や薄毛の原因となります。日頃からの保湿ケアを心がけ、育毛の春をベストコンディションで過ごしましょう。
顔の皮膚より乾燥しやすい頭皮
どうして年をとると皮膚が乾燥するのでしょう。それは皮膚の角質層にあるセラミドという保湿成分の量が、加齢によって減少するためです。
とくに頭皮は、顔の皮膚に比べて角質層の水分量が低く、他の部分よりも乾燥しやすい傾向にあります。肌が乾燥ぎみの方は、頭皮はそれ以上に乾燥しているので注意が必要です。
ヘアサイクルが乱れ脱毛を誘因
乾燥した頭皮はバリア機能が衰えるため、頭皮内部の水分が蒸発しやすくなります。また、細菌などが侵入して、かゆみや炎症を引き起こすこともあります。
こうした状態が続くと頭皮の健康状態がますます悪化。正常なヘアサイクルが保たれなくなり、脱毛へと発展してしまいます。
うるおい頭皮で育毛効果をアップ
春は育毛の季節。よりよいコンディションで育毛の成果を上げるために、うるおい頭皮を手に入れましょう。
かさかさ頭皮の主な原因と対策
加齢:加齢とともに皮膚の保湿成分が減少。バリア機能の衰えで水分が蒸発し、さらに乾燥が悪化します。
●頭皮を健康に保つよう、不足しがちなうるおいや栄養を育毛剤で与えましょう。
●頭皮マッサージで血流アップ。細胞に栄養が行き渡って老廃物の排泄も促され、頭皮のアンチエイジングに。
短時間でも毎日続けることが重要!
アレルギー:刺激の強いシャンプーや菌、ダニ、ハウスダスト、花粉、ストレス、食べ物などによるアレルギーで、頭皮のバリア機能が低下します。アレルギーによる炎症で頭皮に赤みやかゆみがあるときは、育毛剤の使用は控えましょう。
●低刺激のアミノ酸系シャンプーや菌の繁殖を抑える成分配合のシャンプーなど、頭皮の状態に合ったものを選んで。
●この時期の外出時には、紫外線対策も兼ねて帽子・スカーフで花粉や黄砂からガードしましょう。
●食生活や生活習慣の見直しで免疫力を高め、アレルギーを発症にしにくい体づくりを
また、春はきれいな花がたくさん咲く季節ですが、サクラソウ(洋名プリムラ・オブコニカ)という植物には、かぶれの原因物質であるプリミンが含まれています。体質によっては、ふれると皮膚炎を起こす場合があるので、ガーデニングなどを楽しまれる方はご注意ください。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。