頭皮環境を悪化させる 湿度と気温の上昇に要注意!
湿度・気温が高くなり、不快指数が上昇するこの季節、髪や頭皮においても、べたつきやフケ、かゆみなど不快な症状が多発しやすくなります。特に育毛中の方は、頭皮環境の悪化に要注意。髪を育てる土壌がダメージを受けると、健康な髪が育ちにくくなります。正しいお手入れで、頭皮環境を良好に保ちましょう。
高温多湿が招く頭皮のトラブル
高温多湿のこの時期は、皮脂の分泌が増えるため、もともと頭皮に棲んでいる「皮膚常在菌」という菌が皮脂をエサにして繁殖しやすくなります。皮膚常在菌は、余分な皮脂を食べたり、皮膚のバリア機能を形成する善玉菌です。しかし、増えすぎると一転して悪玉菌に変わり、かゆみや炎症などのトラブルの原因となります。
こうした状態が続くと皮膚炎を引き起こし、抜け毛の原因になることもあります。かゆみを感じたら、なるべく早く皮膚科を受診しましょう。
頭皮の清潔第一に育毛剤でお手入れを
増えすぎた皮膚常在菌は、洗髪によって洗い流すことができるので、この時期はとくに頭皮を清潔に保つことが重要です。
また、湿気や汗で頭皮がべたつくからと、育毛剤の使用を控えると、ますます頭皮環境が悪くなるのでご注意ください。
頭皮をすこやかに保つ生活習慣
POINT1 汗はこまめに拭き取り帽子は通期の良いものを
頭皮の蒸れを防ぐために、汗をかいたらすぐに拭き取り、帽子はときどき脱いで風通しを良くしましょう。帽子は、通気性が良く蒸れにくい、綿・麻などの自然素材がおすすめ。
POINT2 洗髪は指の腹でやさしくマッサージしながら洗う
洗髪は、指の腹で揉むようにやさしくマッサージし、余分な皮脂や汚れを落としましょう。ただし、皮脂を取り過ぎないよう、シャンプー剤は、アミノ酸系など洗浄力が強すぎないものがおすすめです。
POINT3 たっぷり栄養を補って頭皮環境をすこやかに
頭皮環境を良好に保つため、育毛剤で栄養補給をしっかりと。汗や頭皮の汚れを落としてから使うと浸透率がアップ。また、育毛剤を使う前に頭皮マッサージを行うと、血行が良くなり育毛効果が高まります。
じめじめ季節に起こりやすい「脂漏性皮膚炎」とは?
頭皮など皮脂分泌が盛んなところに生じやすい皮膚炎で、湿度が高く、紫外線の影響も強くなる梅雨どきに発生しやすい傾向にあります。べたついたフケが出たり、かゆみが続くようなら、脂漏性皮膚炎かも。悪化すると抜け毛や薄毛の原因にもなるので、早めに皮膚科の受信を。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。