2020.10.14

「育毛世代」のシャンプー選び

「育毛世代」のシャンプー選び

頭皮の状態や髪は年齢とともに変化していきます。にもかかわらず、若い頃と同じシャンプーを使っていると、思わぬトラブルを招くことになりかねません。


今回は、年齢に合ったシャンプー選びのポイントを解説します。

 

年齢と共に頭皮の状態や髪が変化

加齢やホルモンバランスの変化により、60歳を過ぎると頭皮や髪にもさまざまな変化が出てきます。そのひとつが「乾燥」です。これは、肌や髪のうるおいを保っている天然保湿因子(NMF)が減少することで起こります。

肌の水分や油分が減少し、シワやたるみが現れるのと同じように、髪も若々しさが失われていくのです。とくに皮脂の分泌量が少なくなるこの時季は、湿度の低下も相まって、頭皮や髪の乾燥が著しくなります。


また、紫外線を浴び続けたり、パーマや毛染めなどを繰り返したりすることによっても、髪のダメージが蓄積されていき、髪やせやうねりなどの変化が起こってきます。もはや60歳を過ぎたら、頭皮の状態や髪が変化するのは避けられない現象といえます。

ここで頭皮や髪の変化をチェックしてみましょう。

チェックが多い人はお使いのシャンプーを見直しても良いかもしれません。

 

洗浄力が強すぎないシャンプーを選ぶ

こうした変化を最小限にとどめるには、シャンプー選びが重要です。シャンプーは、配合される洗浄成分によって大きく2種類に分かれます。ひとつはドラッグストアなどで比較的安価で販売されている高級アルコール系のシャンプーです。泡立ちが良く、洗浄力と刺激が強いため皮脂が多い若年層には向いていますが、敏感肌や乾燥肌の方は頭皮のトラブルにつながることもあります。また、天然保湿因子(NMF)の溶出も多い傾向にあります。

一方、60代以上の方におすすめなのは、洗浄力がやさしく刺激の少ないアミノ酸系のシャンプーです。アミノ酸系は、肌や髪のもととなるアミノ酸系からつくられており、高級アルコール系に比べるとやや割高になります。

 

ふけやかゆみにお悩みの方は、これらの効果が認められている医薬部外品のシャンプーを選ぶとよいでしょう。ぜひ、自分の頭皮の状態に合ったシャンプーを選び、頭皮の健康を守りましょう。

育毛専門医 桑名博士
1954年高知県生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。