2020.11.11

「冷え」と「乾燥」から頭皮を守る

「冷え」と「乾燥」から頭皮を守る

気温も湿度も低くなるこの季節、体の防寒や肌の保湿には心がけても頭皮の「冷え」と「乾燥」対策には無頓着な方が多いのではないでしょうか。体や顔と同様、頭皮も気温や湿度の影響を受けやすく、対策をしないでいると育毛に悪影響を及ぼします。日頃の心がけで頭皮のコンディションを良好に保ち、すこやかな髪を育てましょう。

 

体が冷えると頭皮が血行不良に

女性は男性に比べ、熱をつくり出す筋肉量が10%ほど少ないため、体が冷えやすい傾向にあります。女性に冷え性が多いのもそうした理由によるものです。体が冷えると血行が悪くなり、体のすみずみまで血液が行きわたらなくなります。また、寒さによって肩や首がこると、頭皮の血行も悪くなります。髪は血液中の栄養をもらって育ちますから、血液が十分毛根に届かなければ栄養不足になり、髪が細くやせたり、育ちにくくなったりして育毛の妨げとなります。

 

 

乾燥によって頭皮のバリア機能が低下

頭皮が乾燥すると、ふけ・かゆみなどが生じ、外的刺激に対するバリア機能が低下します。さらに、女性は40歳を過ぎると頭皮の皮脂量が減少し、いっそう乾燥が進みます。髪も乾燥しやすくなり、パサつきや切れ毛、静電気などが起こりやすくなるので注意しましょう。

 

冷え対

重力の影響もあり、頭皮は血流が悪くなりやすい部分です。薄毛が気になる方は、とくに体を冷やさないように。

帽子で頭皮を防寒する

寒い日のお出かけには帽子が必須。保温性が高く頭を締めつけない、ゆったりとしたニット帽がおすすめです。

冷えない生活習慣を心がける

ぬるめのお湯での半身浴や栄養バランスの良い食事、軽い運動など、日頃からの心が
けが大事です。

頭皮マッサージで血行促進

頭皮を揉み上げる感覚で行いましょう。寒さによる緊張がほぐれ、血液が行きわたりやすくなります。(頭皮をこするのはNG!摩擦で静電気がおき、枝毛になりやすくなります)

 

 

乾燥対策

顔に比べて乾燥に気づきにくい頭皮。皮脂の分泌が低下する寒い季節は、スキンケアと同じく頭皮も乾燥対策を。

育毛剤でしっかり潤いを

育毛剤で栄養と一緒に潤いも。寒さでお手入れを怠りがちな方は、暖かいリビングなどでつけるようにしましょう。

シャンプーで皮脂を取り過ぎない

シャンプー剤は、洗浄力がマイルドなアミノ酸系のものを。熱いお湯も皮脂を取り過ぎるので、温度は38℃程度に。

ブラシは天然の豚毛がおすすめ

ブラッシング時の静電気は、抜け毛の原因に。静電気が起きにくい天然の豚毛ブラシなどがよいでしょう。

育毛専門医 桑名博士
1954年高知県生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。