2021.05.12

髪のパサつきに効果的なお手入れとは

髪のパサつきに効果的なお手入れとは

年齢とともに気になる髪のパサつきやツヤ。さらにパーマやヘアカラーの繰り返しで髪が傷んでいると、剥がれたキューティクルの間から髪内部の水分が流出し、髪の乾燥がすすんでしまいます。

そこで髪がパサついてしまう原因と、解消する効果的なお手入れ方法をご紹介していきます。

 

パサつきの原因は年齢だけではない

髪のツヤや潤いは、毛穴の奥にある皮脂腺と汗腺の働きによって保たれています。皮脂腺からは皮脂、汗腺からは99%水分である汗が分泌されています。これらが混ざり合って天然のクリームともいうべき皮脂膜をつくり、髪に潤いを補給すると同時に水分を蒸発を防ぎ、ツヤを保っているのです。

 

ところが、皮脂腺や汗腺の働きは加齢によって衰えてくるため、年齢とともに髪のツヤが失われ、パサつくようになります。また、パサつきに伴う枝毛も、毛髪の水分不足が大きな原因です。

髪のツヤ不足に拍車をかけるのが、洗浄力の強すぎるシャンプーです。使用すると必要な油分まで奪ってしまうことがあります。また、ドライヤーの長時間使用も髪がパサつく原因となります。

これらの行為は、髪や頭皮に必要な皮脂や水分を奪ってしまうので、注意しましょう。

さらに、毛染めやパーマの繰り返しも、キューティクルを損傷させ、ツヤを奪う一因となります。

 

シャンプー後のトリートメントでお手入れを

健康は毛髪は11~13%の水分を含んでいます。これより低いとパサパサで折れたり、切れたりしやすくなり、そこから水分が流出する悪循環に陥ってしまいます。

乾燥した傷んだ髪を完全に元通りにすることはできませんが、トリートメントによって補修することは可能です。「トリートメント」という言葉には、処置する、手当てをするという意味があり、傷んだ髪を補修し、毛髪に最適な水分量11~13%を維持する働きがあります。

毛髪は痛むとマイナスの電気を帯びるため、プラスの電気を持った毛髪に近い成分(アミノ酸など)を含むトリートメントを使用することで、ある程度まで回復することができます。

 

ホットパックで補修効果アップ

最近では、あまり時間をおかなくても効果があるトリートメントも出ていますが、成分の特性から考えてると時間をおいたり、加温したりすることでいっそう高い効果が期待できます。

トリートメントをつけた後、温タオルなどで巻いて5分ほどホットパックをすると、成分が毛髪内部まで浸透してしっとりつややかな髪に仕上がるため、ぜひお試しください。

トリートメントの方法として、髪の水気をしっかり切り、中間部から毛先にかけてもみこむように付けるのがポイントです。注意点は頭皮や髪の根元までトリートメントをつけてしまうと髪がぺたんとなりやすくなります。また、シャンプーは洗浄力のマイルドなアミノ酸系が年齢を重ねた女性にはおすすめです。

 

ブラッシングの素材も大切

ブラッシングには、頭皮の皮脂を髪に行き渡らせるてツヤを与える効果もあります。また、髪をセットする際は、静電気の起きにくい素材のブラシをつかいましょう。

特に、静電気の発生を防いで髪に負担をかけず、自然なツヤを出す豚毛などの「天然毛」が良いでしょう。

 

また最近では、「セシオン」など静電気の起きにくい素材も開発されていますので、そうしたブラシを使うのもよろしいでしょう。

 

ひとくちコラム-ノンシリコンについて

髪の指通りを良くしたり、つやを出すことを目的に配合される「シリコン剤」は「ジメチコン」「シクロメチコン」などの成分名で表記されます。ノンシリコンシャンプーと同じシリーズでもトリートメントはシリコンが配合されていることがあるため、トリートメントの配合成分もよく確認する必要があります。

 

また、「シリコン」は髪をコーティングするという性質が良くないという声もありますが、スタイリング剤として一時的に使用する場合には、それほど神経質になる必要はないと思われます。

 

育毛専門医 桑名博士
1954年高知県生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。