2018.03.07

加齢が招く「かさかさ頭皮」

加齢が招く「かさかさ頭皮」

年齢とともにうるおいを失うのは、肌だけではありません。
頭皮も加齢とともに皮膚にある保湿成分が減少し、うるおいのない「かさかさ頭皮」に変わっていきます。
肌の乾燥がシワやたるみの原因となるように、頭皮の乾燥も育毛環境を悪化させ、抜け毛や薄毛の原因となります。
日頃からの保湿ケアを心がけましょう。

顔の皮膚より乾燥しやすい頭皮

どうして年をとると皮膚が乾燥するのでしょう。それは皮膚の角質層にあるセラミドという保湿成分の量が、加齢によって減少するためです。
とくに頭皮は、顔の皮膚に比べて角質層の水分量が低く、他の部分よりも乾燥しやすい傾向にあります。肌が乾燥ぎみの方は、頭皮はそれ以上に乾燥しているので注意が必要です。

ヘアサイクルが乱れ脱毛を誘因

乾燥した頭皮はバリア機能が衰えるため、頭皮内部の水分が蒸発しやすくなります。また、細菌など が侵入して、かゆみや炎症を引き起こすこともあります。
こうした状態が続くと頭皮の健康状態がますます悪化。正常なヘアサイクルが保たれなくなり、脱毛へと発展してしまいます。

うるおい頭皮で育毛効果をアップ

例年になく、低温と乾燥が続いた今年の冬。頭皮へのダメージも大きかったと思われます。春は育毛の季節。よりよいコンディションで育毛の成果を上げるために、うるおい頭皮を手に入れましょう。

かさかさ頭皮の主な原因と対策

 加齢 
加齢とともに皮膚の保湿成分が減少。バリア機能の衰えで水分が蒸発し、さらに乾燥が悪化します。
●頭皮を健康に保つよう、不足しがちなうるおいや栄養を育毛剤で与えましょう。
●頭皮マッサージで血流アップ。細胞に栄養が行き渡って老廃物の排泄も促され、頭皮のアンチエイジングに。

 頻繁なシャンプー 
シャンプーのし過ぎは、必要な皮脂まで奪ってバリア機能を低下させ、水分の蒸発を招きます。また、市販の高級アルコール系シャンプーなどには洗浄力の強いものが多く、爽快感はあるものの皮脂を取りすぎる場合があるので注意が必要です。
●シャンプー剤による洗髪は2~3日に1回程度にとどめましょう。

 アレルギー 
刺激の強いシャンプーや菌、ダニ、ハウスダスト、花粉、ストレス、食べ物などによるアレルギーで、頭皮のバリア機能が低下します。アレルギーによる炎症で頭皮に赤みやかゆみがあるときは、育毛剤の使用は控えましょう。
●低刺激のアミノ酸系シャンプーや菌の繁殖を抑える成分配合のシャンプーなど、頭皮の状態に合ったものを選びましょう。
●この時期の外出時には紫外線対策も兼ねて帽子・スカーフで花粉や黄砂からガードしましょう。
●食生活や生活習慣の見直しで免疫力を高め、アレルギーを発症しにくい体づくりを。

育毛専門医 桑名博士
1954年高知県生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。