パーマをかけたい人のために
髪にボリュームを出したいという理由で、パーマをかけている方も多いことでしょう。しかし、パーマの薬剤は少なからず髪や頭皮に影響を及ぼします。そこで今回は、育毛とパーマの関係について学んでいきます。
髪の内部の構造が壊れパサつき、切れ毛の原因に
パーマとは、特殊な薬剤のよって髪内部の構造を化学的に変形させ、その形状を長時間保持するものです。私たちの髪は、通常弱酸性に保たれていますが、パーマ液はアルカリ剤が主成分となっていることが多いため、パーマをかけると髪の成分バランスが崩れ、ツヤやコシがなくなります。
また、上部図、パーマしくみのように、髪の内部組織の結合が切断されることで、髪の構造が弱くなってタンパク質が流れ出たり、表面のキューティクルがはがれたりします。その結果、パサツキや切れ毛といったダメージが現れます。
かゆみやはれ・赤みなどの症状も出る「湿性のフケ」
年齢を重ねると、髪にコシやハリがなく1本1本が細くやせてきます。パーマをかけると確かにボリュームが出たように見えますが、パーマ液の刺激による髪へのダメージは普通の人よりも大きくなります。
特に、アレルギー体質の人は、パーマ液の刺激で毛穴に炎症が起きることもあります。頭皮が赤くなったりかゆみが出るなどの症状だけでなく、毛根が傷んで抜け毛を加速させることもあるので慎重な対応が必要です。
生理中はパーマをかけない方がいいってほんと?
生理中は、ホルモンの関係で体質が敏感になっているので、パーマ液のにおいで気分が悪くなったり、頭皮にトラブルを起こす可能性もあります。どうしても座っている時間が長くなるので、生理の日に限らず、体調がすぐれない時は避けた方が無難です。
かける回数を減らし、カラーなどでフォロー
通常、パーマをかける目安は2ヶ月に1回程度。しかし、髪がやせ細り始めるエル世代の場合は、3~4ヶ月間隔にするなどなるべく回数を少なくすることをおすすめします。しっかりかかるパーマほど薬液の刺激が強いので、ゆるめにかけておき、カーラーやブローなどでふっくらさせるのも一案です。
最近では、髪に比較的やさしい薬剤を使う方法もあるので、かける際には美容師さんによく相談するといいでしょう。
毛染めと同時は厳禁!トリートメントも忘れずに
絶対に避けたいのが、パーマと毛染めを同時に行うこと。毛染め剤にも髪にダメージを与える成分が含まれているので、同じ日に連続して行うと、より大きな影響を与えてしまいます。少なくとも2週間は間隔をあけて行うようにしましょう。
パーマと一緒にぜひ行いたいのがトリートメントです。美容院によっては、パーマの前後に行うところもあります。パーマをかけるときは。「トリートメントもお願いします」の一言を忘れずに。
髪と頭皮の健康を保ち、保湿に心がけましょう
パーマによるダメージを最小限にとどめるには、日頃から髪と頭皮の状態を健康に保っておくことが大切です。育毛剤によるお手入れで栄養を補給することはもちろん、栄養バランスの良い食事や適度な運動を心がけましょう。
パーマをかけると、髪の水分や油分が流出してパサつきやすくなります。できるだけ刺激の少ない植物保湿成分配合のシャンプーを使い、必ずヘアコンディショナーで仕上げましょう。乾燥がひどいときは、ヘアコンディショナーをつけたあと蒸しタオルでパックを行うと効果的です。
美容院で聞いてみよう!髪にやさしいパーマってあるの?
ダメージヘア用の定番と言われているのが、システインを主成分にした薬剤を使うもので、一般的に「システインパーマ」などと呼ばれています。かかりはゆるめですが、刺激や臭いは少な目。その他、イオンパーマや酸性パーマなど、サロンによって髪の健康を考えたいろんなパーマがあります。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。